全体像 / FIELD NOTES

A geography of wine

イタリアの産地を分ける緯度・標高・海

シチリアにも、標高の高い畑がある。「北は冷涼、南は温暖」という大づかみな地図に、山と海を加えると、産地の違いが見えてくる。

AT A GLANCE / 図で確認
01緯度

南北の位置をつかむ

02標高

平地と山地を分ける

03海・湖

水域との距離を見る

同じ緯度や標高でも、斜面の向き、風、降水、栽培の方法によって畑の条件は変わります。

GRAPES & PLACES

品種から、産地をたどる。

品種を選ぶと、記事で取り上げた州が地図に表示されます。州名から地域の解説へ進めます。

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Nebbiolo

ネッビオーロ

バローロもバルバレスコもネッビオーロから造る。さらに北のヴァルテッリーナではキアヴェンナスカと呼ばれる。同じ品種を追うだけで、丘陵からアルプスの斜面へと産地が変わる。

品種の解説を読む →

掲載記事で扱う代表的な関係です。全栽培地域や栽培面積を示す図ではありません。番号は州内の代表位置で、州境・呼称区域を表しません。地形:Natural Earth

FIELD NOTE 01

南北の位置と標高

イタリア半島は南北に長く、北にはアルプス、半島にはアペニン山脈が連なる。緯度は気候を知る手がかりだが、畑の高さはそこから読み取れない。南の高地と北の低地では、緯度と標高の両方が気温に関わる。

シチリアのエトナを沿岸の低地と同じ条件で捉えると、この差を見落とす。州名に加えて畑の標高が必要になるのは、そのためだ。

FIELD NOTE 02

斜面の日射と水域の影響

同じ高さでも、斜面の向きが変われば日射の受け方が変わる。海や湖への距離、風、降水の時期も栽培条件を左右する。標高だけを根拠に、完成したワインの酸や香りまで決めることはできない。

アルト・アディジェなら谷底と高い斜面、カンパーニャなら沿岸と内陸のイルピニアが比較の例になる。一つの州の中にも、異なる条件の畑がある。

FIELD NOTE 03

州・呼称・畑の境界

州は行政区分、原産地呼称は生産規定で定める区域だ。両者の境界は必ずしも重ならない。さらに一つの呼称の中でも、村や畑によって斜面や標高が異なる。

州の地図で大まかな位置をつかみ、呼称の地図で範囲を確かめ、畑の地図で斜面を見る。それぞれの地図から得られる情報が違う。

FIELD NOTE 04

水分と成熟を結ぶ

水分条件は、葉が光合成を続ける働きにも関わる。強い水不足は光合成を抑えるため、雨が少ないほど成熟に有利という関係にはならない。斜面の排水だけでなく、土壌が蓄える水と、降雨の時期を合わせて考える必要がある。

畑の位置から味を推測するときは、まずその場所の気温・日射・水分が果実の生育にどう働いたかを問いにする。南の産地でも高地と沿岸の低地では条件が変わり、同じ畑でも年の天候によって結果が変わる。

この節の根拠:AWRI|気候・水分条件とブドウの生育 ↗(対象:2015年12月更新の技術資料)[資料確認

この記事の要点

エトナの畑を説明するなら、「シチリア」に標高、斜面の向き、海への距離を加える。

PAUSE & REFLECT

理解を確かめる

シチリアのワインを「南の暑い土地のワイン」とまとめると、エトナの何を見落とす?

解説を読む

高い標高や斜面の向きによる栽培条件の違い。シチリアという位置が同じでも、エトナの高い斜面と沿岸の低地では、気温や日射、海の影響を同じとみなせない。

演習で復習する →

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出典・参考資料

本文の参照資料です。生産規定の詳細は現行文書で、個別ワインの仕様は該当する収穫年の資料で確認できます。

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