RELATIONSHIPS
一つのクリマに、複数の区画と造り手。
所有関係の概念図。面積比や境界は表していない。
ジョゼフ・ドルーアン
自社の畑14ha。ピノ・ノワールの赤とシャルドネの白。
ドメーヌ・シャンソン
白の資料では丘上部のシャルドネ区画1.6haを紹介。
本文で説明した関係の要約です。品種構成や生産条件の詳細は、本文と公式資料で確認できます。 出典・参考資料
FIELD NOTE 01
ボーヌの南端、ポマールに接するクリマ
Clos des MouchesはBeaune Premier Cruのクリマで、ボーヌの呼称区域の南端、ポマールに接する場所にある。ドルーアンは自社の畑を斜面中腹、東〜南東向きと説明し、14haを赤用品種と白用品種でほぼ半分ずつに分けている。
14haはドルーアンが示す自社の面積。クリマ全体の面積として扱わない。クリマ名、所有する区画、そこに植えた品種は、別々に確認する情報だ。
FIELD NOTE 02
同じ畑名を持つ別の生産者
ドメーヌ・シャンソンも、このクリマで白を造る。公式の2024年資料は、丘の上部にある1.6haのシャルドネ区画を紹介している。ドルーアンの名がよく知られていても、クロ・デ・ムーシュがその単独所有畑という意味にはならない。
二社の白を同じ年でそろえると、呼称・クリマ・品種・年を共通にできる。ただし、原料が育った区画まで同じになるわけではない。味の差をすべて醸造家の技術に帰すと、斜面内の位置や樹齢、栽培の違いを取り落とす。
この節の根拠:ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ赤 2021 ↗ / ドメーヌ・シャンソン|クロ・デ・ムーシュ白2024 ↗
FIELD NOTE 03
赤白の比較で変わるもの
ドルーアンの赤はピノ・ノワール、白はシャルドネ。同じ生産者とクリマで赤白を比べても、品種と果皮の扱いが同時に変わる。赤の色やタンニンを「畑の個性」だけで説明する比較にはならない。
白同士の生産者比較、同じ生産者の赤白比較、同じワインの年違い。この三つを分けると、何を共通条件にしたかがはっきりする。
この節の根拠:ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ赤 2021 ↗ / ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ白2017・畑の説明 ↗
FIELD NOTE 04
テクニカルシートの幅を読む
ドルーアンの赤2021年のページには、新樽25%、熟成14〜18か月と記されている。全房の割合は「年により20〜50%」という説明だ。2021年の全房比率が50%だった、と上限だけを取り出すことはできない。
シャンソンの白2024年資料には熟成18か月、新樽20%という数値がある。ただしドルーアンの赤2021年との比較では、生産者に加えて年も品種も違う。資料の読み方の例として使い、二本の味の差を新樽比率だけで説明しない。
この節の根拠:ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ赤 2021 ↗ / ドメーヌ・シャンソン|クロ・デ・ムーシュ白2024 ↗
CASE STUDY / 実例から考える
何をそろえ、何を変えて比べる?
クロ・デ・ムーシュを例に、比較の組み方を選びます。飲み比べの提案であり、ここで実際に試飲した結果ではありません。
白の生産者を変える
ドルーアンの白
- 共通にする条件
- Beaune Premier Cru / Clos des Mouches / シャルドネ / 同じ収穫年
- 区画の説明
- 自社畑は斜面中腹、東〜南東向き
シャンソンの白
- 共通にする条件
- Beaune Premier Cru / Clos des Mouches / シャルドネ / 同じ収穫年
- 区画の説明
- 白の区画は丘上部、東向き
共通条件が四つあれば、醸造方法だけを比較できる?
考え方を確認する
区画の位置と栽培が残ります。クリマの名前をそろえても、同じブドウを分けて醸造する実験にはなりません。参照資料の年も二社で異なるため、実際に選ぶ年の仕様は別途確認します。
ドルーアンの赤白を比べる
Clos des Mouches 赤
- そろえる条件
- 生産者・クリマ・収穫年
- 品種
- ピノ・ノワール
- 果皮の扱い
- 発酵・浸漬で色素やタンニンを抽出
Clos des Mouches 白
- そろえる条件
- 生産者・クリマ・収穫年
- 品種
- シャルドネ
- 果皮の扱い
- 圧搾した果汁を発酵
赤白の差は、果皮を漬けたかどうかだけ?
考え方を確認する
品種も変わります。植わっている区画、収穫の判断、発酵・熟成も確認する必要があります。同じ畑名を手がかりに、造り手が赤と白をどう設計するかを読む比較です。
同じ赤の年を変える
ドルーアンの赤・ある年
- そろえる条件
- 生産者・銘柄・品種
- 調べること
- 天候・収穫日・全房比率・抽出・熟成
ドルーアンの赤・別の年
- そろえる条件
- 生産者・銘柄・品種
- 調べること
- 同じ項目と、瓶詰め後の経過時間・保管状態
全房20〜50%という説明から、2021年の比率を一つ決められる?
考え方を確認する
決められません。参照ページは「年により」と幅を持たせています。対象年の数値が公表されていなければ未確認と記録し、上限や平均をその年の仕様にしないでください。
参照資料:ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ赤 2021 ↗ / ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ白2017・畑の説明 ↗ / ドメーヌ・シャンソン|クロ・デ・ムーシュ白2024 ↗
呼称・クリマ・品種・年はそろえられるが、区画の位置や栽培は残る。生産者の差は醸造だけの差ではない。実際の区画と、その年の資料を併せて読む。
PAUSE & REFLECT
理解を確かめる
同年のクロ・デ・ムーシュ白を二社で比べれば、醸造方法だけの違いを確かめられる?
解説を読む +
呼称・クリマ・品種・年はそろえられるが、区画の位置や栽培は残る。生産者の差は醸造だけの差ではない。実際の区画と、その年の資料を併せて読む。
自分の言葉で残す
わかったこと、根拠、まだ確かめたいことを書いてください。
最大5,000文字。このブラウザ内に保存します。「保存する」を押して記録してください。空欄で保存すると、このメモを削除します。
保存したメモを見る →この問いにつながるコース
出典・参考資料
本文の参照資料です。生産規定の詳細は現行文書で、個別ワインの仕様は該当する収穫年の資料で確認できます。
- ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ赤 2021 ↗
- ジョゼフ・ドルーアン|クロ・デ・ムーシュ白2017・畑の説明 ↗
- ドメーヌ・シャンソン|クロ・デ・ムーシュ白2024 ↗
- BIVB|ボーヌの呼称とクリマ ↗