制度・醸造 / FIELD NOTES

Port wine / Fortification

ポートの発酵:酒精強化はいつ行うのか

甘さを原料の熟度だけで説明せず、発酵を途中で止める工程に注目する。

RELATIONSHIPS

ポートの発酵:酒精強化はいつ行うのか:比較の視点

Port wine / Fortification

地理・原料・工程を分けて読む

  • 発酵前

    ブドウの糖

  • 途中で止める

    ポートの酒精強化

  • その後

    容器と熟成で分岐

本文を整理した模式図です。生産区域や品質の順位を表すものではありません。 出典・参考資料

FIELD NOTE 01

発酵と残糖をつなぐ

ポートはドウロのブドウを原料とし、発酵途中にブドウ由来の酒精を加えて発酵を止める。発酵で消費されなかった糖が残るため、酒精を加える時点が甘さに関わる。

この順序を「原料→発酵開始→酒精強化→熟成」と書いてみる。完熟した果実を使えば自動的に甘口になる、という説明だけではこの工程を落としてしまう。原料の糖と、最終的に残る糖を別の段階で捉えたい。

FIELD NOTE 02

シェリーとの比較で誤解を減らす

フィノやオロロソのような辛口シェリーでは、まず発酵させて辛口の基酒を造り、その後の熟成に合わせた酒精の調整を考える。甘さを残すため発酵途中に止めるポートとは、工程の順序が違う。

ただしシェリーには甘口の種類もある。「シェリーはすべて同じ」と広げず、ここでは辛口の基酒を対象にする。比較対象の範囲を明示すると、覚えた説明を違う種類へ誤って当てはめずに済む。

FIELD NOTE 03

赤の抽出と熟成の分岐

赤いポートでは、発酵を止めるまでの間に果皮由来の成分を取り込む工程が重要になる。その後は容器や熟成の方向によって異なるカテゴリーへ進む。Ruby系でも瓶詰め前に容器で過ごす時間はあるため、「Rubyは樽を使わない」と単純化しない。

原料、発酵停止、瓶詰め前の容器、瓶詰め後の時間を別々に書くと、Vintageと長期樽熟成のTawnyを同じ工程に押し込まずに整理できる。

FIELD NOTE 04

ラベルと技術資料を読む手順

一本を選んだら、Portoの表示、色、カテゴリー、収穫年または年数表示を確認する。次に瓶詰め前の熟成、瓶詰め時期、濾過の有無を調べる。これらは飲み方や保管を考えるときにも意味を持つ。

ノートには、書かれていない情報を推測で埋めずに残す。例えばLBVという表示だけで濾過の有無を決めない。認証機関のカテゴリー説明と、生産者のその銘柄の資料を組み合わせて読む。

この記事の要点

ポートは発酵途中で糖を残す工程、辛口シェリーは辛口の基酒を得た後の工程として分ける。

PAUSE & REFLECT

理解を確かめる

ポートと辛口シェリーの酒精強化を、一つの工程図で同じ位置に置いてよい?

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ポートは発酵途中で糖を残す工程、辛口シェリーは辛口の基酒を得た後の工程として分ける。

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出典・参考資料

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